「今の主力商品が売れているうちに、次を作らなければ……」
そう思いながら、結局リソースの9割を「今の稼ぎ」に投下していませんか?
年商10億を維持しつつ、次の柱を作る。
この舵取りが難しいのは、経営スキル不足ではなく、人間の脳に備わった「生存本能」が変化を拒んでいるからです。
■「未来の柱」を作るための3つの心理学的アプローチ
1.「現状維持バイアス」を定量的に破壊する
人間は無意識に「今の成功」が続くと信じる性質があります。
これを打破するには、主力商品の「寿命」をあえて短く見積もるシナリオを作成します。
「恐怖」をトリガーにした損失回避心理を逆手に取り、「今動かなければ未来を失う」という危機感を組織全体で共有することが、資源配分の前提となります。
2.「アンソフの成長マトリクス」に心理的余白を作る
既存事業(今日の飯)と新規事業(未来の種)では、使う脳の筋肉が違います。
主力事業のチームに「新規もやれ」と言うのは、心理学的に見てマルチタスクによる機能不全を招くだけです。
リソースの20%を「今の利益を無視して良い独立組織」に割り当てることで、既存事業の成功体験から解放された自由な発想(探索的学習)が可能になります。
既存事業の延長ではなく、ゼロベースでの検討が求められます。
3.「イノベーションのジレンマ」を自尊心で乗り越える
新しい種が育ち始めたとき、既存部門から「利益率が低い」「効率が悪い」という批判が出るのは心理学的に必然です。
変化への抵抗だけでなく、自分の立場を奪われるという恐怖も生まれます。
経営者の役割は、新事業を「異物」ではなく「我々のアイデンティティの継承者」として再定義することです。
5年後の自分たちを救う「ヒーロー」として社内ブランディングすることで、組織内の心理的摩擦を最小限に抑えます。
既存事業の敵ではなく、ともに会社を支える仲間にしなければなりません。
5年後、10年後の収益の柱は、ロジカルな計算だけでは生まれません。
顧客心理を理解して、緻密な計画を立てるだけでも不十分です。
実行に移す、「今の自分たちを否定する勇気」と「未来への好奇心」という心理的エネルギーの配分が必要です。
組織が一丸となって「未来の飯の種」を育てる組織風土づくりを行わなければなりません。
今、主力商品が絶好調な「今」こそ、最も「不合理で大胆な投資」を始める絶好のタイミングです。
(本日の質問)
あなたの会社では、10年後の社員を笑顔にするための「実験」が今日行われていますか?

