経営コラム


なぜ、あなたの管理職は「忙しいふり」をして現場に戻ってしまうのか?

「マネジメントに専念してほしいのに、結局本人が一番動いている」
「後輩を育てるよりも、自分でやったほうが早いと口にする」

組織化を目指す経営者が必ず直面する壁。それは中間管理職の「現場離脱」の難しさです。
実は、彼らが現場を離れないのは、単なる「効率」の問題ではなく、脳が「手近な快感」を求めているからかもしれません。

■「マネジメント専念」を阻む3つの心理的バイアス
1.「完成バイアス(Completion Bias)」の罠
脳は「タスクを完了させること」に快感を覚えます。
現場の仕事は「受注した」「納品した」と完了が見えやすいです。
一方、マネジメントは終わりがなく、成果も見えにくいことがあります。
そのため無意識に、脳がドーパミンを得やすい「現場の作業」に逃避しているのです。

2.「透明性の錯覚」による丸投げへの恐怖
「自分が考えていることは、言わなくても部下に伝わっているはずだ」という思い込み(透明性の錯覚)が、逆に「伝わっていない現実」へのストレスを生みます。
そのストレスを回避するために、「自分でやったほうが確実だ」という安全策をとってしまうこともあります。

3.「自己効力感」の喪失への不安
現場のプロとして評価されてきた彼らにとって、実務を手放すことは「武器を捨てること」と同じ恐怖を伴います。
「指示を出しているだけの自分には価値がないのではないか?」という不安を、心理学的なアプローチで払拭する必要があります。

■マネジメントを「自分事」にする処方箋
管理職を動かすには、「マネジメントをしなさい」という命令ではなく、「マネジメントによる報酬」を再定義することが不可欠です。

・「部下の成功」を「自分の成功」に変える評価軸の設計

・自分で現場を動かすのではなく、「チームを動かすこと」を高く評価する文化の醸成

・マネジメントを「高度な知能パズル」として提示する(一種のゲーミフィケーション)

このような仕組み化が必要です。

組織化に必要なのは、優秀なプレイヤーではなく、「他人の力を最大化させることに意義を見出すマネジャー」です。

(本日の質問)

あなたの会社のマネージャーたちは、まだ「現場の報酬」を追い求めていませんか?

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