経営コラム


経営幹部が「現場」を離れないのは、能力不足ではなく「脳の報酬系」のしわざ

「経営幹部なのに、いつまでも現場の細かい実務を握りしめている」
「経営判断をしてほしいのに、気づけば現場の先頭に立っている」

年商10億を突破し、次のステージを目指す経営者様が直面する問題として「プレイングマネージャーを抜け出せない経営幹部の育成」があります。
実はこれ、役員本人のやる気の問題ではなく、「ドーパミン」という脳内物質の罠にはまっている可能性が高いのです。

■経営幹部を「経営」に目覚めさせる3つの心理戦略
1.「即時報酬」の依存から脱却させる
現場の仕事は「完了」や「感謝」がすぐ手に入る即時報酬の宝庫です。
対して経営は結果が出るまで時間がかかります。
役員が現場を離れないのは、無意識に「すぐ得られる達成感」を求めているからかもしれません。
経営会議などで「長期的な成果や目標設定」を賞賛する文化を作り、報酬系を「未来の成果」へ上書きする必要があります。

2.「アイデンティティ・プロテクション」を外す
経営幹部にとって現場のスキルは「自分をここまで連れてきてくれた武器」です。
それを手放すのは、自分自身の価値を否定するような恐怖を伴います。
「現場を捨てる=無価値」ではなく「現場を任せる=次世代を育てる英雄的行為」へと、役割の定義をポジティブに書き換える(リフレーミング)ことが不可欠です。

3.「サンクコスト(埋没費用)バイアス」の打破
「自分が育てた顧客だから」「自分にしかできない技術だから」という執着もあります。
これは、自分を美化するだけでなく、過去の投資を惜しむ心理とも言えます。
ここを突破するには、「過去の栄光」から「将来の展望」へと、心理的な「よりどころ」を替える必要があります。

経営幹部を経営者にするのは、権限の付与(仕組み)だけでは足りません。
彼ら彼女らの「何に喜びを感じ、何を恐れているか」という心の仕組みを書き換える必要があります。

組織の経営幹部が「経営者」として機能し始めたとき、組織の馬力は2倍ではなく、二乗で増えていきます。

(本日の質問)
あなたの会社では、経営幹部がまだ現場で「優秀な兵士」を演じていませんか?

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