経営コラム


長時間労働の弊害と発生理由

日本の労働(残業)時間は、世界の中でも長くなっています。
サービス残業も横行しているので、実際にはさらに長いのではないでしょうか。
長時間労働には次の2つの大きな弊害があります。

1.効率の低下
人の集中力は長く続くものではありません。
長時間働いている内に集中力が切れて、作業能力が落ち、ミスも出てきます。
結果として、時間の割は成果が出ず、効率の悪い働き方となってしまいます。

2.改善意欲・緊張感の低下
長時間労働が是とされてしまうと、効率的に短時間で終わらせようという意欲が失われます。
結果として、現状に甘んじてしまい、改善に対する意欲が低下します。
「ゆでがえる」の話ではありませんが、現状に満足していると、徐々に状況が悪化していても気づきません。
ダラダラと働いてしまい、緊張感を持って働くことができなくなります。

こうした弊害があるにもかかわらず、長時間労働が変わらない理由としては、以下の2点が考えられます。
その打開策も併せて記述します。

1.労働時間が評価基準になっている
夜遅くまで残っている人はがんばっていると評価されます。
もちろん、次から次へと仕事を任されて終わらない人もいますが、
ただダラダラと残っている場合もあります。
また、成果の見えづらい間接部門などはでは、労働時間で成果を図る場合もあります。
こうした状況を打破するためには、労働時間ではなく効率性や成果内容で評価をする仕組みが不可欠です。
また、効率的に短時間で成果を出す人を奨励するような仕組みも必要です。

2.生活設計に残業代も含まれている
残業をすれば残業代が発生します。
基本給に不満がある人は、残業をすれば手取りの給与を増やすことができます。
業績を上げて給与を増やすよりも、残業をしたほうが手っ取り早いと考えてしまいます。
私が以前務めていた会社でも、残業代のために仕事がなくても残っている人がいました。
こうした状況を打破するためには、給与制度の見直しが必要です。
残業代を支給しないというわけにはいきませんので、昇給などの評価基準に労働の効率性を組み込むしかありません。
そして、本人の意識改革が不可欠です。

一人一人が効率的に働いて、高い生産性を誇る組織を目指したいものです。


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