経営コラム


自律的自治と『学問のすゝめ』

最近は、自助を基本とした自律的自治のあり方について考えています。

誰かになんとかしてもらうのではなく、まず自分でできることを行う。

それでもできないことは、お互いに助け合う。

自分ができることで、他人を助けられるのであれば、自主的に行う。

そのような社会の実現のためには、マインドセットや能力向上の教育が必要と考えていました。

 

それをどのように実現するのかは、まだ検討中ですが、明治時代に同様のことを訴えた本がありました。

福澤諭吉の『学問のすゝめ』です。

「天は人の上に人を造らず」のフレーズがあまりにも有名なため、読まなくても中身を知っているつもりになっていました。

今回、初めてすべて読んだのですが、社会の担い手の育て方について書かれた本でした。

以下、共感した内容を抜粋しながら、私見を記します。

 

「自由とわがままの境目というのは、他人の害となることをするかしないかにある」

個人の自由も大切ですが、社会の一員としての責任も求められます。

自分が良ければよいというところから一歩進んで、誰かの役に立つ意識も必要です。

 

「独立の気概がない人は、国を思う気持ちも浅い」

私も地域のことを考える余裕ができたのは、フリーランスになってからでした。

会社員時代のほうが、自分中心でした。

独立して、自分の責任で行動するようになったことで、周囲への迷惑や影響を強く意識するようになりました。

 

「国民を束縛して、政府がひとり苦労して政治をするよりも、国民を解放して暗くをともにしたほうがいいではないか」

まさに、自律的な住民自治のあり方です。

誰かが決めて、みんながそれに従うのではなく、一人ひとりが自主的に動きながら、公が調整するような社会が理想的です。

 

「疑った上で判断せよ」

特定の意見を鵜呑みにするのではなく、その背後にある意図や前提条件も含めて、検討することが大切です。

 

「他人の働きに口を出そうとするならば、試しに自分をその働きの立場において、そこで反省してみなければならない」

これは、コンサルタントとして仕事をするのときにも、気をつけていることです。

過ぎたことを振り返って批判するのは、簡単なことです(後知恵バイアス)。

傍から見ていると簡単そうなことでも、現場に降りてみると、いろいろと制約条件があることもあります。

他人を批判して優位に立つのではなく、一緒に解決策を考えられる関係性が理想的です。

 

年末年始のお時間のあるときに、一読されてみてはいかがでしょうか?

 

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