経営コラム


マーケティング的に見た参議院選挙

今回の参議院選挙は、低投票率、大番狂わせなしではないかと予測しています。

なぜならば、マーケティングの観点からすると、新規支持者の開拓ができていないからです。

今回の選挙では、各候補がターゲットを明確にして、自身の考えを訴えていました。

どの候補に投票しようか迷われた方も多いようです。

しかし、それは既存の支持者をセグメンテーションしているだけで、新規の支持者は置き去りになっていました。

 

投票率を上げようと思ったら、選挙に行かない人に対するマーケティングが必要です。

ひとつは、危機感を煽ることです。

選挙に行かないと、どれだけ大変なことになるかを伝えることです。

ただし、個人的には選挙本来の趣旨からすると、あまり望ましくないと思っています。

年金問題があまり話題にならなかったのも、選挙に行かない層からすると既知の事実で、危機感を持たせることはなかったのでしょう。

憲法改正も、それが即戦争につながるという実感はありませんし、改正にはそれなりの手続きが必要なので、緊急度が弱かったと考えられます。

 

もうひとつは、共感できる夢(ビジョン)を語ることです。

マーケティング的にも、選挙のあるべき姿からも、こちらの方が重要です。

選挙に行かない層は、既存の生活に不満を感じていない人たちです。

その人たちが、わくわくするような未来像が必要です。

そして、それを実現するための道筋(政策)に納得感がなければいけません。

今の政治の仕組みが機能不全に陥っていると感じている人は多いと思いますが、自己否定をしてまで改革しようとする候補者はなかなか出てきません。

そこまでできる勢力が現れたら、日本も変わっていくだろうなと思います。

 

短期間の選挙戦では難しいですが、中長期的なやり方としては、コミュニティに誘うという方法もあります。

インターネット、SNSのおかげで、コミュニティは細分化されて見えづらくなっています。

自分たちのコミュニティの存在をアピールしながら、ちょっと参加してみようというきっかけを作ります。

このとき、熱心に訴えれば訴えるほど、コミュニティが閉鎖的に見えてしまうので、注意が必要です。

 

選挙に適切なマーケティング戦略を持ち込めば、もっとこの国は面白くなるのではないかと期待しています。

そしてなによりも、小手先のテクニックではなく、この国の未来を見据えて、本当に必要なことを議論できる時代を作っていきたいものです。

 

【本日の質問】

あなたは、投票に行きましたか?

 

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