経営コラム


図と地

ルビンの壺という有名なだまし絵があります。
黒い部分に注目をすると壺に見えて、白い部分に注目をすると向かい合う人の顔に見えるというものです。
同じ図形でありながら、どちらに注目をするかで見えるものが異なります。
また、一般的には黒い部分に注目することが多いようです。

注目がいく部分を「図」、その際に背景になる部分が「地」です。
数多くの事象から、どの部分に注目するかは、人によって異なります。
どちらが正解という明確なルールはありませんが、図と地の関係を見誤ると、間違った判断を下すことになります。

アイスの売れ行きと気温には、相関関係があります。
ビールの売れ行きと気温にも、相関関係があります。
どちらも、気温が高くなるほど、摂取要求が高まるという因果関係があるからです。
それでは、アイスが売れるとビールが売れるという関係はどうでしょうか。
この2つの事象には、相関関係があります。
どちらか一方が売れていると、他方の売れ行きも伸びています。
しかし、両者に因果関係はありません。
気温という共有の原因を持っているために起こる現象です。
このような関係を正しく捉えることができないと、適切な販売促進はできません。

事象を捉えるときには、何が図で、何が地なのかを適切に判断することが大切です。

【本日の質問】
あなたは、図と地を適切に捉えていますか?


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