経営コラム


目に見えないコスト

『失敗の本質 戦場のリーダーシップ篇』の中で、目に見えないコストについて言及されていました。
目に見えないコストとは、人間関係上の取引コストのことです。
人は、全体を見渡すことができず、限られた情報の中で判断を行なうので、完全に合理的な判断を行なうことができません。
事態をすぐに理解できない人や、駆け引きを行なう人がいると、そこに労力や時間を費やさなければなりません。
これが、目に見えないコストとなります。

本文中では、第二次世界大戦中の日本軍について書かれていますが、一般企業でもあり得ることです。
特に、自身の保身に走るような人たちが集まると、組織は硬直化して死に向かいます。
部門間の対立で見られるのは、各々が自部門の利益を最大化しようとする動きです。
より正確に言えば、既得権益を守って楽をしたいだけです。
変化の激しい時代に、硬直化した組織は生き残ることができません。

こうした人間関係上の取引をなくすためには、情報を開示するしかありません。
お互いの様子が分からなければ、自分に都合の良いように想像を働かせてしまいます。
お互いの状況を正しく認識するところから第一歩が始まります。
自分の状況を開示するとともに、相手との信頼関係を築こうとしなければなりません。
そして、経営理念やコンセプトなどの共通の判断基準をもとに、落とし所を探っていきます。

目に見えないコストに足を引っ張られているうちに、時流に取り残されてしまいます。

【本日の質問】
あなたの会社にも、目に見えないコストがかかっていませんか?


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