経営コラム


個人技に依存した組織の弊害

大阪のホテルでの食品偽装が問題となっています。
ホテル側の説明の中で、「調理人が行ったことで、会社は把握していなかった。」
「厨房は職人の世界のため、関与しづらい」といった趣旨のコメントが有りました。
たしかに職人の世界は特有のルールが有りますが、だからといって会社に責任がないということにはなりません。
たとえ、個人の行いであったとしても、会社が行ったこととみなされますし、会社としての管理責任も問われます。
このように、個人技に依存した組織には、他にも以下のような弊害があります。

1.全体最適が図れない
卓越した個人技を持っている人は、ワンマンプレーに走ることがあります。
自分の案件を優先させるなどして、全体のスケジュールに影響を及ぼすこともあります。
そうなると、組織として全体最適を実現することができません。
組織全体として、最大の結果が出せるようにしなければなりません。

2.差別的優位性を失いやすい
個人が企業の差別的優位性となっている場合は、それが失われるリスクが大きいです。
特定の個人が何らかの理由で、その企業からいなくなった場合に、代替となる要因がいません。
そうなると、企業の差別的優位性が瞬時に失われてしまいます。

3.組織が成長しない
個人の暗黙知が組織で共有されない限り、組織として成長しません。
人が入れ替わるたびに、同じプロセスを繰り返すことになります。
先人が道を作り、後輩がその道を歩むことで、戦力となるまでの時間が短縮され、新しい挑戦をすることができます。


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