衛生要因とは、満たされないと不満を引き起こしますが、満たされたからといって満足度を向上させないもののことを言います。
言い換えれば、「あって当たり前」と思われている要素です。
詳しくは、ハーズバーグの二要因理論(動機付け・衛生理論)で検索をしてみてください。
衛生要因の一つとして、給与が良く挙げられます。
給与が低いという不満を良く従業員ヒアリングで耳にします。
そのため、愛社精神がわかないという意見がその後に続きます。
そこで、「それでは、いくら貰えたら愛社精神がわきますか?」と質問をすると、大概答に窮してしまいます。
また、企業の人事におけるモチベーション以外にもこの理論は当てはまります。
例えば、食の安全があります。
安全が当たり前と思われている日本では、安全でない食品は誰も購入したがりません。
それでは、安全性をアピールすれば売れるかというと、そういう訳ではありません。
震災以降、多少流れは変わったように感じますが、大勢に変化はありません。
衛生要因を満たすのにもコストがかかります。
しかし、そこから得られるものは多くないのが現状です。
その状況を打開するためには、「当たり前のことを当たり前でない」と感じさせることが必要です。
例えば、工場の様子を紹介するテレビ番組が人気ですが、あれは当たり前に食べている商品の裏側を見せることで、
当たり前を作り出す凄さを消費者に伝えています。
自分たちの苦労話を訴えるよりも、相手にハッと気づいてもらえるような仕組みを構築することが大切です。