大久保恒夫著『また一歩、お客さまのニーズに近づく―会社がみるみる強くなる』を読みました。
商品の品揃えや従業員マネジメントについて、独自の視点から書かれています。
その中から、特に共感した部分を3点ご紹介します。
(原文を一部改編しています)
「お客様の買いたい商品がたくさんあって、その中から選べるようになってないといけない。」
今日の消費者は、不要なものは例え安くても買いません。
消費者にとって不要なものばかり並んでいては、買いたいものが何もない「品揃えの悪い店」になってしまいます。
売上が不振だからといって、どんどん売れない新商品を増やしても意味がありません。
ターゲット顧客を明らかにして、そこに合わせた商品を絞り込む必要があります。
「商品仕入れの担当者は、仕入れた商品の販売実績に対する責任はほとんど問われない。」
本書では、仕入れ担当者と売り場担当者が異なる場合の乖離について言及されていますが、
個人店などで、仕入れ担当者と売り場担当者が同じ場合でも起こりうることです。
仕入れて並べて後はお客様次第では、博打と同じです。
なぜその商品を仕入れたのか、自分はその商品のどこに惚れたのかを、きちんと消費者に伝えなければなりません。
良い商品を仕入れる目利き能力と同様に、伝える力も必要です。
「お客様の本当のニーズに合ったコスト削減を考える。」
小売業の固定費で大きなものは、人件費と賃料等の物件費です。
賃料は簡単に下げることができませんので、固定費を削減するとなると少人数でのローコストオペレーションとなります。
人が減っても、必要な作業量は変わりません。
結果的に、品出しなどが遅れれば、倉庫に商品があっても欠品の多い売場になります。
お客様が何か困っていても、それを尋ねる従業員がいなければ、そのまま退店してしまいます。
これでは機会ロスが発生してしまいます。
人を減らしても必要な作業量をこなせるような仕組み作りも併せて行う必要があります。