船頭多くして船山に登るということわざがあります。
舵取り役が多すぎると物事が上手く運ばないという意味ですが、経営にも当てはまります。
特に派閥争いが起こっている場合には、顕著に現れます。
例えば、製造部長と営業部長で意見の対立があったとします。
お互いの利益や事情を優先しようとしてどちらも譲らないというのは、よく聞く話です。
それぞれが自分の既得権益を守ろうとしている限り、上手くいきません。
お互いに腹を割って話すこと、会社全体としての目標を達成するために協力することが不可欠です。
トップが強いリーダーシップを発揮しなければなりません。
もう一つ困った例が、お互いになすりつけ合いをしている場合です。
面倒なことや責任を回避しようと画策していては、何をしても前に進みません。
対立が摩擦や足の引っ張り合いで進まないのだとしたら、なすりつけは前に進まないようにグルグル回っている状態です。
後者の方が前進するのにより大きな力が必要です。
全体最適のためには、リーダーが方向性を示して各人の役割を明らかにすることと、
各人が与えられた役割の中できっちりと責任を果たすことが必要です。