業務の中には、価値を生み出す仕事と、業務を回すための作業があります。
トヨタ自動車で、働きと動きと呼ばれているものと同じような考え方です。
どちらも業務を遂行する上で欠かせないものですが、役割に応じてその割合は変化します。
上位の役職者になるほど、価値を生む仕事の割合が高くならなければなりません。
決裁印を押すことが仕事ではなく、案件を進めるかどうか判断するのが仕事です。
決裁印を押すという作業は他の人でもできますが、そのための指示を出すことを考えると本人が押したほうが効率的です。
それがいつの間にか、書類の山を前に判子押しマシーンと化してしまっていないでしょうか。
無駄な作業は省き、価値を生む仕事に時間を割くようにしなければなりません。
考えるという仕事は、机の中でも行うことができます。
下位の従業員ほど作業が増えます。
きちんと作業をこなすことができる人も組織の中には必要です。
しかし、いつまでも作業に追われていては、組織としての成長がありません。
いかに効率的にこなすかを真剣に考えれば知恵が出ます。
また、作業をしながら内容を理解することで、業務を勉強することができます。
最も恐ろしいことは、作業に忙殺されて、仕事をした気になってしまっていることです。