サンクコストとは、事業に投下した資金のうち、
事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用のことを言います。
この費用を気にするあまり、失敗するとわかっていても、ずるずると続けてしまうことがあるようです。
なぜ損切りができないのか、その理由は2つあると思います。
ひとつは、「失うことを回避すること」は強いインセンティブとして働きます。
事業をやめてしまうことで、これまでの費用や時間が無駄になると思われ、強い抵抗を示します。
その時点で、事業を止めても進めても、サンクコストは戻ってこないので、
今後の損益のみを考えるべきなのですが、「失う」ということは、高く評価される傾向があります。
もう一つは、失敗を認めることになるからです。
誰しも、己の過ちを認めたくありません。
自分から事業を中止することは、失敗したというようなものですので、選びたくない道です。
いずれの場合も、決断をするのには、大変な勇気が必要です。
客観的に事実を受け止め、冷静な判断を下す強い意志が求められます。