スクーリングパッド農業ビジネスデザイン学部の第10回授業に行ってきました。
今回の講師は、民俗学者の結城登美雄氏でした。
「認識は暗く、行動は明るく」とおっしゃる結城氏の講義の3/4は日本の農業の現状に関する内容でした。
まずは、日本古来の食や農、自然との関わり方や、「食は最大の社会資本である」という食に対する認識の話がありました。
戸別所得補償政策などの農政にかかわる話や、農業人口の減少など「暗くなる」話が続きます。
このまま先細るしかないかと心配しているところで、「鳴子の米プロジェクト」の話になりました。
我々聴衆の目を見ながら語りかける口調にのめりこんでしまいました。
結城氏はこれからの農業の形として、①ダーチャ(自給自足)型、②C.S.A型、③直売型、④従来型があると考えています。
「鳴子の米プロジェクト」は②C.S.A(Community Supported Agriculture)型になります。
消費者が「食べる力」を発揮し、農家に生産を依頼する形をとります。
農産物を前払いで購入し、不作の場合のリスクも共有します。
生産者と消費者が共にシェアする(=参加する、負担する、わかちあう)ことで、農業を安定させ、
若い人たちが農業をやっていけるようにすることを目的にしています。
農業の六次産業化が推奨されています。
そこでは、農業の高付加価値化が求められています。
しかし、結城氏は農業(食)の絶対価値を訴えます。
農業(食)の絶対価値とは、他のものと異なり、代替食料は存在しないということです。
今一度、食の重要性を見直し、「食べ物が身近にあることが豊か」と思えるようにする必要があります。