加藤健一事務所の「木の皿」を見てきました。
今回で3度目の再演です。毎回高い評価を得ているお芝居です。
父親を老人ホームに入れようとする夫婦とその娘、周囲の人間の葛藤や、
家族の関係を描いた作品です。
老人介護や、浮気、親子の愛情・関係、ないものねだりの夢など様々な問題をはらんでいます。
私が最も心を動かされたのは、状況を受け入れて、自分の生き方を決めたロン(父親)と
すべてを円く収めようと行動したスージー(娘)の二人の姿でした。
ロンは自分が家族の崩壊の原因になっていることを理解したうえで、
自ら孤独な生活を送ることを決意します。
家族が自分の余生を決めようとすることに反対し、自分の意思で老人ホームに行くことを決意します。
自らの決意でつらい道を歩むその強さに感動しました。
スージーはロンが老人ホームに行かなくてすむように、自分でホテルを借りてきます。
全員が幸せになる方法を考え出し、行動したことに胸が熱くなりました。
最後は涙が止まりませんでした。
久しぶりに良い芝居を堪能しました。