「コミュニティカフェを作ろう」クラスの一環で、港区芝にある芝の家を訪問してきました。
創設から企画運営をされている慶應義塾大学教養研究センター講師 坂倉杏介氏のお話を伺いました。
芝の家は港区芝地区総合支所の進める「昭和の地域力再発見事業」で、慶應義塾大学が運営をしています。
「コミュニティ」の機能をデザインし、人が集まる空間となっています。
この空間の最大のポイントは何も提供しないことです。
集まった人たちから新しい出会いが生まれ、新しい活動が生まれていきます。
ここが媒体となり触媒となっています。
これは、慶應義塾大学が運営していることが大きいようです。
坂倉氏はこの空間のモデルとして「茶堂」をあげていました。
茶堂とは、峠など二つの境界線に位置し、地域の内外に開かれた非制度的な空間です。
そのために、だれでも自由に活動することができます。
現在の公民館などは制度が先行してしまい、有機的な結合を生み出すことができません。
また、坂倉氏は外部からの刺激がコミュニティの活性化には欠かせないと指摘されました。
ここでは慶應義塾大学の学生がセミナーなどを開催しています。
慶應義塾大学の豊富なタレントや、近隣企業の多彩な知識や経験がこの空間を利用しています。
これが最大の成功要因ではないでしょうか。
行政が運営しないことで、成功的な行政事業になったことは皮肉的ではあります。
しかし、非制度性と外からの刺激を歓迎し楽しむことは地域活性化には不可欠です。
昭和の保存ではなく、現代のコミュニティを創っています