『国家はなぜ衰退するのか』を読みました。
タイトルとは裏腹に、国家が繁栄する条件について、ていねいに考察されています。
その条件は、企業などの組織でも当てはまると、私は思います。
私なりに一般化しながら、2つの条件をご紹介します。
1.中央集権になっている
本書では、アフリカなどの部族間対立が強い国は、経済的に発展しないとされています。
企業に置き換えると、個人や部門が自分たちの利益を優先している状況です。
これでは、足の引っ張り合いになってしまい、エネルギーを無駄に使ってしまいます。
経営理念やビジョンの元に、全員が足並みを揃えて、一つの方向に進んでいくことが重要です。
2.包括的政治制度が整っている
本書では、包括的政治制度の条件として、収奪の制限、創造的破壊(イノベーション)の促進、権力を分かち合う強力な政治制度の創設が挙げられています。
企業であれば、公平な評価と処遇、イノベーションの促進、多様性の確保になります。
経営者の私欲を満たすために、企業活動が行われるのでは、従業員のモチベーションは上がりません。
組織として大切にすることを明確にし、それを達成した人には十分な評価と処遇が与えられるべきです。
イノベーションの促進は当たり前のようですが、抵抗を受けることがあります。
なぜならば、イノベーションはこれまでの秩序やルールを破壊してしまうからです。
既得権益側からの抵抗をどのように抑えるのかが、ポイントになります。
多様性については、多面的な意見を取り入れて検討することが重要です。
言われてみれば当たり前のことですが、この2点を維持できなくなった国家は衰退してしまいます。
それは、企業にも当てはまります。