経営コラム


組織の力学

組織には、目に見えない力が働いています。
それは不文律として、メンバーに共有されていることが多いです。
影の支配者と呼ばれる人がいたり、他部門には口を出さないといったタブーが存在したりします。
こうした力学は、組織に安定をもたらすために用いられます。
人々が安定を求めることは、当然のことです。
問題は、ベクトルがどこを向いているかです。

ベクトルが、顧客の利益や会社のミッションに向かっている場合は、組織は安定的に成長を続けることができます。
しかし、実際は内部の既得権益を守るために、内向きのベクトルとなっていることがほとんどです。
そのような組織は、不測の事態が起こった際に、もろく崩れます。
状況の変化に対応するよりも、内部のルールを優先させるためです。
自分たちの都合の良いように事態を把握して、自ら変わることをしません。
結果として、判断が遅れ、取り返しのつかない事態を招きます。

一度できあがった力学を変えることは難しいです。
それまでの安定を放棄して、不安定な状態で活動しなければなりません。
痛みも伴います。
そのような状況を受け入れる人は、少数です。

それでも、会社を生まれ変わらせようと思ったら、組織を揺さぶらなければなりません。
危機に直面したときは、少なからず組織が動揺するので、組織を変えるチャンスです。
また、コンサルタントのような外部の人間を招いて、外から揺さぶるという方法もあります。

組織を変えるには、既存の力学を打ち破るだけのエネルギーが必要です。

【本日の質問】
あなたの組織の力学は、どこに向かっていますか?


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