女性の管理職比率の低さが、問題として取り上げられることがあります。
日経新聞によると、2018年に世界の管理職に占める女性の割合は27.1%、日本は12%(原文ママ、ILOの公表値は12.9%)とのことです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42179640X00C19A3EAF000/
国別に詳しく見ると、フィリピンとアメリカが40%を超えていて、スウェーデン、オーストラリア、イギリス、シンガポールと続きます。
日本政府も女性管理職比率を30%にすると目標を掲げていますが、数字が独り歩きしてしまっているようです。
この原因を、経営コンサルタントの立場から考えてみたいと思います。
「ガラスの天井」と呼ばれるように、女性は管理職にふさわしくないというのは、性差別です。
しかし、そのような性差別は社会的に容認されなくなっています。
性別や年齢だけで、判断することは難しくなっています。
それでも、組織の仕組みや制度を考えると、すぐには女性管理職は増えないと考えます。
その理由は、大きく2つあります。
ひとつは、意識の側面です。
バリキャリと呼ばれる人たちも増えていますが、管理職を目指す女性は多くありません。
https://womanslabo.com/c-marketing-tips-190814-1/3
さらにいえば、男女を問わず、管理職に昇進したいと希望しない人が6割以上いると、平成30年度版の労働白書で言われています。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/18/backdata/2-3-27.html
希望しない理由として、「責任が重くなる」「長時間労働になる」が挙げられています。
ワークライフバランスが浸透していくと、自分の時間を確保したいと考える人も増えてくると思います。
この状況を改善するためには、以下のような取り組みが必要になります。
・仕事を通じて、自己実現や自己成長を叶えるキャリア設計
・フレックスタイムなどの自由裁量の拡大
・労働時間ではなく、生産性による評価
特に、自由裁量や生産性による評価を行うためには、既存の働き方を見直す必要があります。
計画立案や全体像の把握などといったスキルが求められます。
もうひとつは、人材育成の問題です。
管理職には、現場実務に加えて、マネジメント能力も求められます。
現場実務とマネジメント能力は別物なので、それぞれ習得する機会を作らなければいけません。
古い考え方の元では、女性はキャリアアップのための育成制度の対象外とされていた可能性があります。
そうなると、今すぐに女性管理職を登用しようとしても、それに見合う能力のある人がいないという事態になります。
早急に女性管理職の割合が増えない大きな要因のひとつだと、私は考えています。
人材育成には時間がかかります。
性別や年齢を問わず、キャリアアップのための育成制度を整えて、運用していく必要があります。
組織には、多面的な考え方も必要ですし、目的遂行のために推し進める力も必要です。
組織の役割にあった人材を育成し、適材適所で人材配置を行うことが重要です。
【本日の質問】
あなたの会社では、適切な人材育成と人材配置が行われていますか?
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