ビジネス環境が厳しくなる中で、朝令暮改の素早い対応が良しとされることもあります。
状況が変わったことを認識しながら、対応をしないのは、経営として正しい判断とは言えません。
しかし、従業員のモチベーションを考えると、あまり頻繁に行うべきではありません。
その理由は2つあります。
一つは、経営者と従業員で持っている情報が異なるからです。
従業員には経営者が状況判断に使用した情報が行きわたっていません。
そのため、思いつきで方針を変えたと受け取られてしまう可能性があります。
これを防ぐためには、変更の理由やその根拠を明確にする必要があります。
もう一つは、それまでの努力を否定する可能性があるからです。
変更の内容によっては、これまで行ってきたことと、180度逆の方向に進む場合があります。
その際には、これまでやっていたことが無駄になるだけではなく、否定されることがあります。
誰でも自分の行ったことを否定されると、気分を害します。
指示の通りに従っていたならば、なおさらのことです。
これを防ぐためには、これまでの実績を否定することなく、活かしながら、
新しい方向へと切り替える必要があります。