平泉といえば中尊寺金色堂が有名ですが、それよりも寺跡の方が印象的でした。
確かに金色堂の美しさは素晴らしいです。
鎌倉時代の人が覆堂を建てて保護をしようとしたことも頷けます。
極楽浄土を再現するために、当時の技術の粋を集めた素晴らしい建物だと思います。
しかし、それは完成した世界であって、私は外から眺めるしかありません。
一方の寺跡には、当時の基礎しかありません。
夏草や兵どもが夢の跡の俳句の通り、そこには過ぎ去った空間しかありません。
しかし、そこから色々と想像をすることができます。
当時の建物の大きさが分かります。
そこから、建物の形状や高さ、構造などをイメージすることができます。
そうすると、何か伝わってくる気がします。
また、ピリッとした寒さの中、何もない空間に立っていると、心が洗われる気がします。
日常生活の慌ただしさで小さくなっていた心が開放されるのがわかります。
遣水の流れる音に耳を澄ませ、大きな空間を見ていると清々しい気持ちになりました。
非日常の空間に身を浸す貴重な時間を過ごすことができました。