経営コラム


安売りの理由

森嶋通夫著『思想としての近代経済学』の中に、以下の表現がありました。
「安売りは、その店の信用にかかわるから、正当な理由づけができない限り、彼らは安易に大安売りはしない。」
本書では、これ以上の言及はありませんが、私は以下のように考えます。

これは、非常に大切な考え方です。
正当な理由とは、正当な企業努力です。
仕入れや生産方法を見直し、効率化することができれば、安売りすることも可能です。
こうした企業努力なしに行われる安売りは、利益を圧迫します。

利益を圧迫してまで安売りをする理由は、ほかに売る方法が分からないからです。
商品を購入するかどうかは、顧客が感じる価値と価格のバランスで決まります。
顧客に価値提供をすることができないのであれば、価格を下げるしかありません。
つまり、価格を下げるということは、価値がないということを顧客に伝えることになります。

価格は顧客が決めるものであるならば、顧客に納得してもらえるだけの価値をどれだけ提供できるかが課題です。
自社の商品の価値を高める努力をしなければ、適正な利益を確保することはできません。

【本日の質問】
あなたの会社では、安易な安売りを行っていませんか?


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