B2Cの企業の中には、「奉仕の精神」というスローガンを掲げているところがあります。
おそらく、「お客様第一」と同様の意味で使用しているのだと思いますが、私は「奉仕」という言葉に強い違和感を覚えます。
「奉仕」という言葉には、見返りを求めないとか、自身を犠牲にするといったニュアンスが含まれます。
それは人として美しいことかもしれませんが、ビジネスとしては成り立ちません。
ビジネスとは、相手に価値を提供して、その対価を受け取ることです。
そこに上下関係はありません。
しかし、実際には力関係によって、上下関係が発生してしまいます。
希少価値のあるもの(代替品のないもの)を提供していると、ついつい自分が偉くなった気になります。
お金を払っていると考えると、サービスを受けて当然という態度になります。
提供価値と対価が釣り合っている限りは、お互いに対等な立場ですが、このバランスが崩れると関係に歪みが生じます。
どちらか一方が強くなると、もう一方は無理を我慢しなければなりません。
それでは、win-winの関係にはなりえません。
お互いに提供しているものを適切に評価して、感謝をすれば、どちらが上ということにはなりません。
相手を尊重することは大切ですが、卑屈になる必要はありません。
【本日の質問】
あなたは、ステークホルダーと対等な関係を保てていますか?