経営コラム


使いやすいデザインについて

先日、組み立て式の本棚を作りました。
板を合わせてネジ止めをするだけです。
組立説明書には、間違えやすい点が明確に指摘されており、分かりやすかったです。

いざ組立用とすると大変な苦労がありました。
まず、板と板をきちんと合わせるのが難しかったです。
ガイドは付いているのですが、板を重ね合わせたときには隠れてしまい、役に立ちません。
また、ネジ穴はまっすぐになっておらず、ネジの先もまっすぐに切られているので回しても先に進みません。

分かるところに溝を切ってガイドにしたり、ネジの先を鋭利にするなどすれば、格段に組み立て易くなります。
コスト削減のために、このような処理をしていないのかもしれません。
しかし、これでは「組み立て易い」という「価値」も下がってしまい、VE(バリューエンジニアリング)の考え方に反します。
価値が低ければ、どんなに低価格にしても消費者は満足しません。

D.A.ノーマン氏は著書『誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論』で、
良いデザインの二つの原則として、以下を挙げています。
1.良い概念モデルを提供する
2.ものを見えるようにすること

そのための工夫として、「対応付け」と「フィードバック」の重要性を指摘しています。
事象Aと事象Bの関連性を分かりやすく示し、何かが行われたらその反応(結果)を目にみえるようにします。

これらは、モノづくりだけでなく、説明などのサービスにも応用できます。

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