経営コラム


フリクションいろえんぴつ

文房具売場で、フリクションいろえんぴつを発見しました。
その名の通り、フリクションシリーズの「いろえんぴつ」でインクは使用していません。
これまで、多色ボールペンや蛍光ペンなどシリーズが拡大していましたが、
ついに「ペン」という領域の外までブランドカテゴリーが広がってきました。

パッケージを見ていると、子供を対象にしているようです。
一見すると、新たなターゲットの取込みですが、既にフリクションペンをお絵かきに使うという事例を散見していますので、
子供という当初とは違うターゲットに対して、適切な形で価値を提供できる商品を開発したと考えるべきです。

フリクションシリーズの提供価値は、「きれいに消せる」ということです。
それまで、筆記具は書くことが価値でしたので、新たな価値を創造したことになります。
「書く」の対局にある「消す」に着目した点がヒットの原因です。

人は書くときに、間違えることがあります。
従来のペンでは、修正テープなどを使用するしかありませんでした。
そうすると、間違えた痕跡が残ります。
しかし、フリクションペンでは、跡形もなく消えるので、間違えた痕が残りません。
間違えたことを誰にも知られたくないという消費者の潜在ニーズに火が着くことで、一気に広まりました。

今回のいろえんぴつは、はみ出してもきれいに消すことができます。
そのため、子供が思いっきり描くことができます。
これが新たな提供価値になります。

またひとつ新しいヒット商品が生まれそうです。

【本日の質問】
あなたの会社では、提供価値を適切に拡大することができていますか?


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