経営コラム


バトンを受け渡す

10年以上の事業改善計画を作成していると、事業承継の問題が絡んできます。
現社長もいつまでも現役というわけにはいきませんので、どこかでバトンを渡すことになります。
事業承継には、株式の譲渡や相続税対策といった財務面の課題と、安定した経営を継続するという事業面の課題があります。
事業面の課題においては、このバトンの受け渡しが重要になります。

バトンを渡す側である現経営者の最大の課題は、いかに引退するかです。
特に創業者の場合には、会社への思いが強く、バトンを渡した後も会社に関わりがちです。
自分のやり方が変えられてしまうと、自分の人生を否定されたような気になります。
今回の大塚家具のお家騒動がよい例です。
そのような事態にならないためには、現経営者の第二の人生の設計が不可欠です。

バトンとして何を渡すのかも重要です。
責任権限といった経営資源はもちろんですが、想いも伝える必要があります。
事業のやり方は時代の流れとともに変化しますが、その企業が存続する上で不変の経営理念や核を伝える必要があります。
両者で時間をかけて、バトンを共有する必要があります。

受け手である後継者の課題は、大きく2つです。
一つは、バトンを受ける覚悟です。
会社は個人のものではありませんので、ステークホルダー全員の生活を左右する責任があります。
その責任をまっとうする覚悟が必要です。
もう一つは、会社を経営していく能力や人望です。
これは、一朝一夕では身につきません。
バトンを受ける前から経営に携わり、経営課題を克服していく中で、身に付けるしかありません。

【本日の質問】
あなたの会社では、バトンの受け渡しが適切に行われていますか?


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

アーカイブ