「組織力強化のために、権限委譲をおこなって、チームとして働く」
このことを理想とする組織は多いです。
しかし、実際に組織改革を行おうとしても、なかなかうまくいかないケースも多々あります。
なぜ、権限委譲は難しいのでしょうか?
その理由は、マネージャー、メンバーともに、それまでとは異なる働き方が求められるからです。
まずメンバーは、指示待ちの受け身の態勢から、自律的に働かなければなりません。
そのためには、情報収集や部門間調整など、従来のマネジメント層がおこなっていた役割も果たさなければなりません。
権限の範囲はマネジメント層よりも小さくとも、必要となるスキルは同じです。
これまで与えられた仕事をこなすことに専念していた人からすると、まったく異なる能力を身につける必要があります。
マインドセットの変更だけでなく、リスキリングも行わなければならないので、そのプロセスがうまくいかないと、権限委譲を効果的に行うことができません。
一方、マネージャーは、メンバーへの関わり方を変える必要があります。
マネージャーになる人は優秀な方が多いので、自分でやった方が早いこともあります。
結果責任を問われますので、とにかく成果を出さなければとあせると、不慣れなメンバーがもどかしく感じられます。
そこをぐっと我慢して、メンバーを信頼しなければなりません。
ただし、前述のように、メンバーが新しいやり方に慣れるまで、適切なスキルを身につけるまでは、積極的に介入する必要があります。
メンバーが自走できるまでは、ティーチングが必要です。
ティーチングとコーチングのバランスと切り替えが重要です。
このバランスがうまく取れないと、権限委譲はうまくおこなわれません。
権限委譲は仕組みを変えるだけでは機能しません。
新たな仕組みを回すための取り組みを粘り強く行う必要があります。
【本日の質問】
あなたの会社では、権限委譲がうまくおこなわれていますか?