経営コラム


なぜ、失敗を認められない組織は発展しないのか

失敗を認められない組織は、うまく発展することができません。
なぜならば、健全な失敗は挑戦の結果であり、成長の機会でもあるからです。
自分のできることだけをしていれば、失敗をする可能性は低くなります。
失敗を避けようとすると、新たなことに取り組もうという意識はなくなっていきます。
また、失敗を糧にすることは、成長の大きな要因になります。
うまくいかなかった原因を探り、それを改善することで、新たな知識や能力が身につくからです。

■なぜ失敗を認められないのか

このように、健全な失敗を認めることは必要なのですが、なかなかそれができないことも事実です。
失敗を認められない原因は、ふたつあります。

ひとつは、「失敗=能力不足」と判断されるためです。
「こんなこともできないのか」と周囲から評価されてしまうと、恥ずかしく感じます。
「恥」は人の行動を制限する大きな感情のひとつです。
「恥」を回避するためならば、ひとは普段しないようなこともしてしまうことがあります。

もうひとつは、失敗の理由が「健全ではない」場合です。
手抜きやサボり、業務に対する不満などは、ミスを引き起こします。
そのような「健全ではない失敗」を認めることは、自分のネガティブさを認めることになります。
そうなると、周囲からの評価が下がりますので、これもなんとしても避けようとします。

■失敗を認められない弊害

これまで述べてきたように失敗を認めることができないと、成長や改善の機会が失われます。
失敗を認められない弊害は、もうひとつあります。
それは、「周囲との関係性の悪化」です。
これは、周囲からの評価が下がるだけではありません。
失敗が起こると、周囲に迷惑をかけます。
それにより、相手が感情を害することもあります。
そのことを認めて謝罪をすれば済むような話でも、謝罪がないために気持ちの切り替えができないこともあります。
そうなると、相手はひとりで感情の整理をしなければなりません。
自分の感情を整えることは、誰にとっても簡単なことではありません。
失敗による迷惑に加えて、感情の整理という負荷も周囲に与えてしまいます。
このようなことが積み重なると、周囲との関係性が悪化し、組織が停滞していきます。

■失敗を認められる組織になるために

失敗を認められる組織になるためには、「健全な失敗」を組織として推奨する必要があります。
「健全な失敗」は望ましいことであるというメッセージを発信し続けます。
組織のトップが、朝礼などで伝えることもできますし、社内報などで事例を共有することもできます。

人事評価制度に組み込むこともできます。
もちろん、失敗をすれば評価は下がりますし、ペナルティもあります。
それをしないと、「適当に仕事をしても問題ない」という誤ったメッセージを伝えてしまいます。
起こったことは起こったこととして、対応しなければなりません。
そのうえで、「失敗にどのように対処したか」も合わせて評価をします。
適切に対処した場合には、プラス評価になりますので、失敗のマイナスを取り返すことができます。
失敗を糧に新たな成果を生み出すことができれば、失敗分を補って余りあるプラス評価になります。
アメとムチにするのであれば、失敗を隠蔽したり放置したりした場合には、失敗そのものよりも重いマイナス評価にするという方法もあります。

いずれにせよ、失敗をしたらすべての機会が失われるのではなく、失敗してもそれを取り返す機会が与えられるべきです。
人事評価制度は、組織が望む行動を促すように設計されなければなりません。
人事制度もメッセージになるということは、とても重要なことです。
適切な人事評価制度は、人材育成だけでなく、組織の士気向上につながります。

【本日の質問】
あなたの会社では、失敗を認める仕組みができていますか?

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