数年前にロジカルシンキングが流行った際に、「分けると分かる」という言葉も人気が出ました。
確かに、物事を分けて考えるとそれぞれの課題が明確になります。
一方で、視点が狭まり見えなくなってくるものがあります。
「全体性的」を考えるのであれば、視点を広くして、「つなげると分かる」こともあります。
バリューチェーンで表されるように、企業活動は各部門の活動が連携して行われます。
営業部が売上拡大のためだけに無理な受注を増やしてしまうと、
製造部に負担がかかって、結果的にコスト増になって利益が出ない可能性があります。
反対に、どんなに営業部ががんばって受注を増やしても、
製造部が計画的に生産をして、納期に間に合わすことが出来なければ、売上にはつながりません。
また、営業部が顧客の声を開発部に伝えられれば、良い商品開発につながりますし、
製造部のこだわりを営業部に伝えることが出来れば、営業力の強化につながります。
こうした取り組みを可能にするためには、製販をつなぐ仕組みが不可欠です。
事業の取り組みと財務も密接につながっています。
営業部の頑張りが売上につながります。
製造部の取り組みはコスト削減につながります。
財務部が適切な経営指標を提供することは、有効な経営判断につながります。
自分たちの活動が、経営指標にどのようにつながっているかが分かれば、取り組み姿勢が変わります。
これからの経営には、点と点をつないで全体最適を考えることが不可欠です。