毎年、京風のおせちを購入しています。
今年は、おせちに大きな変化が2つあり、今の時代を表しているなと感じました。
ひとつは、実質値上げが行われていたことです。
陶器の入れ物は、プレスチック製になっていました。
栗きんとんのさつまいも餡は黄色いあんペーストに、いくらは人造のものに変わっていました。
見た目は大きく変わりませんが、実際に触れたり食べたりすると、その差は歴然です。
コストダウンの工夫次第は、悪いことではありません。
販路開拓セミナーでも、顧客はプライスラインを意識するので、それに合わせた商品づくりが必要と伝えています。
しかし、それは顧客が価値を感じない部分において、コストを削るというのがポイントです。
年に一回の晴れの日において、今回のコストダウンはがっかりするものでした。
このような場合であれば、私は値上げをすることを勧めています。
原材料が高騰していることは、ニュースなどで明らかです。
消費者と適切なコミュニケーションを取った上で、利益の取れる価格を設定します。
適切な価格転嫁をして、しっかりと売ることをしないことに、今の日本経済がいまひとつ伸びない原因があると考えています。
もう一つの変化は、製造者や食品添加物の表示が行われていたことです。
これは、食品表示法の変更に伴うものです。
知る権利が求められていますが、個人的にはこの情報は知りたくありませんでした。
おせちがOEM生産されていることは知っていました。
それでも、京風のおせちが東京で作られていることを改めて知らされると、なんだか残念です。
また、食品添加物の表示を見ると、なんとなく不安になります。
このなんとなく不安が厄介です。
自分自身で判断基準を持っていないと、不安がどんどんと大きくなります。
その結果、思考停止状態に陥り、客観的な判断が下せなくなります。
インターネットで調べればさらに情報が手に入りますが、その情報の真偽を確かめるだけの知識もありません。
こうなると、悪循環です。
私の場合は、食べておいしいかどうかで、判断をしています。
食品製造業者や国の法律は、悪意のないものだと思っていますので、それをクリアしているのであれば、あとは自分の好みです。
このような判断基準を持っていないと、情報に流されてしまいます。
情報開示やインターネットが普及していく中で、リテラシーを身につけることが増々重要になっています。
新年早々、おせちを食べながら、色々と考えてしまいました。