経営コラム


おせち考2019

毎年、京風のおせちを購入しています。

今年は、おせちに大きな変化が2つあり、今の時代を表しているなと感じました。

 

ひとつは、実質値上げが行われていたことです。

陶器の入れ物は、プレスチック製になっていました。

栗きんとんのさつまいも餡は黄色いあんペーストに、いくらは人造のものに変わっていました。

見た目は大きく変わりませんが、実際に触れたり食べたりすると、その差は歴然です。

 

コストダウンの工夫次第は、悪いことではありません。

販路開拓セミナーでも、顧客はプライスラインを意識するので、それに合わせた商品づくりが必要と伝えています。

しかし、それは顧客が価値を感じない部分において、コストを削るというのがポイントです。

年に一回の晴れの日において、今回のコストダウンはがっかりするものでした。

 

このような場合であれば、私は値上げをすることを勧めています。

原材料が高騰していることは、ニュースなどで明らかです。

消費者と適切なコミュニケーションを取った上で、利益の取れる価格を設定します。

適切な価格転嫁をして、しっかりと売ることをしないことに、今の日本経済がいまひとつ伸びない原因があると考えています。

 

 

もう一つの変化は、製造者や食品添加物の表示が行われていたことです。

これは、食品表示法の変更に伴うものです。

知る権利が求められていますが、個人的にはこの情報は知りたくありませんでした。

 

おせちがOEM生産されていることは知っていました。

それでも、京風のおせちが東京で作られていることを改めて知らされると、なんだか残念です。

また、食品添加物の表示を見ると、なんとなく不安になります。

 

このなんとなく不安が厄介です。

自分自身で判断基準を持っていないと、不安がどんどんと大きくなります。

その結果、思考停止状態に陥り、客観的な判断が下せなくなります。

インターネットで調べればさらに情報が手に入りますが、その情報の真偽を確かめるだけの知識もありません。

こうなると、悪循環です。

 

私の場合は、食べておいしいかどうかで、判断をしています。

食品製造業者や国の法律は、悪意のないものだと思っていますので、それをクリアしているのであれば、あとは自分の好みです。

このような判断基準を持っていないと、情報に流されてしまいます。

情報開示やインターネットが普及していく中で、リテラシーを身につけることが増々重要になっています。

 

 

新年早々、おせちを食べながら、色々と考えてしまいました。

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