経営コラム


『短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント』

『短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント』を読みました。
本書は行動分析学に基づくマネジメントの具体的な方法について解説されています。
行動分析学について知らなくとも、内容を理解することができます。
もちろん、行動分析学を勉強されている方であれば、より理解が深まると思います。
ただし、一部用語が異なっているなどの差異があります。

私が一番面白いと感じたのは、行動を強化するPST条件の節です。
本書によると、P(ポジティブ)、S(すぐ)、T(確実)なことが、最も強い動機づけ要因になります。
特に、STが重要です。
本書に挙げられている例として、喫煙/禁煙がありました。
禁煙しようとする動機は、将来肺がんなどの病気になるかもしれないということです。
これは、ネガティブですが、しばらく先の不確実なことです。
一方、喫煙する動機は、たばこを吸うことで気分が落ち着くなどです。
これは、ポジティブですぐに確実に体感できることです。
そのため、喫煙の動機が禁煙の動機よりも高く評価されることになります。

報奨制度などを設計する際には、すぐに確実に評価される仕組みが重要です。
その他のポイントもわかりやすく書かれていますので、興味のある方には一読をお勧めします。

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