経営コラム


『日産 驚異の会議』

『日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ』を読みました。
日産改革の中でこれまで注目されて来なかった「会議の仕組み」について紹介されています。
具体的な手法についても取り上げています。
私が特に面白いと感じた特徴について、私見を交えてご紹介します。

・一日集中会議でその日のうちに結論を出す
会議は決める場であるという考え方は、徐々に浸透しています。
問題は、何を決めているかということです。
次回までに資料を増やして再度検討という結論も多いのではないでしょうか。
これでは、結論を先延ばししているだけです。
すぐに行動に移せる結論が出されることが大切です。

・事前に課題を明確にし、タイムスケジュールを決める
議論が白熱してくると、論点がぼやけて来ることがあります。
そこで、意見の違いの本を辿って行くと、前提や目的が異なるということがあります。
これでは、どんなに議論をしても前に進みません。
事前に課題を明確にし、共通認識を得ることで、こうした事態は避けられます。
また、細かくタイムスケジュールを設定しておくことで、進行の修正が容易になります。
どんどん時間がズレこんで、気がついた時には終わる目処が立たないというのでは困ります。
事前に参加者とタイムスケジュールを共有し、全員が時間を意識すれば、ダラダラとした議論は回避できます。

・意思決定者は議論に参加しない
これは、非常に面白い考えだと思いました。
本書にもありますが、意思決定者が発言をしてしまうと、他のメンバーは発言がしづらくなります。
また、次から次へとアイデアが出てくるので、議論を拡散させてしまいがちです。
意思決定者は通常その部門のトップであり、最も能力の高い人であることが多いので、こうした事態が起こりやすくなります。
これを回避するために、議論の最中は退席いただくというアイデアは、目からうろこでした。

・議事録を作成しない
議事録の作成には時間がかかります。
作業効率を考えると、作成せずに済むなら、それに越したことはありません。
議事の最中にパソコンで議事録を作成する書記を用意することも可能ですが、
本書に有るようにホワイトボードをデジカメで撮影して済むのならば、それが最も簡単です。


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