演劇企画集団 THE・ガジラの『さよなら渓谷』を見てきました。
定員70名程度の小さな劇場の中央に舞台が設置されていました。
幕が開くと、突然話のど真ん中に放り出されます。
10分したころには話の設定が分かります。
しかし、その後も変わる証言により、一体真実は何かわからないまま話は進んでいきます。
登場人物は各々過去に挫折を抱えています。
それらへの対応はそれぞれです。
5人の登場人物がプロトタイプ化されているので、
共感する人物と反感を覚える人物がいます。
後半で、「人は物語を作って生きている」という流れになってきます。
確かに、客観的事実とは別の世界を人は持っています。
そこに生きることは弱いことではありません。
ただ、自分に都合の良いようにストーリーを変更してしまいがちです。
たまには客観的事実を向き合う必要もあるのではないでしょうか。
途中で、涙がにじんできました。
見終わった後は、心を握られたような感覚がずっと続きました。