『「科学的思考」のレッスン―学校で教えてくれないサイエンス』を読みました。
前半は「科学的思考とはどういうことか」についてでした。
これまで私は、科学的とは「客観的で数字によって裏付けられているもの」だと考えていました。
本書のポイントをまとめると以下のようなものでした。
・理論と事実は異なる。
・科学とは真と偽の中間にあるグレーな領域で少しでも良い仮説や理論を求めていく営みである。
・良い仮説の基準は以下の3つ
①より多くの新奇な予言をして、それを当てることができる
②その場しのぎの仮定や正体不明の要素をなるべく含まない
③より多くの事柄を、できるだけ多く同じ方法で説明できる
これらの説明は、これまでの科学は不確実性を一切含まないという私の概念とは異なるものでした。
後半は科学と社会の関係をどう考えるかという、科学リテラシーの話でした。
原発の問題を例に、リテラシーのポイントや重要性を説明しています。
その中で印象的であったのが、以下の2点でした。
・「分かりやすさ」には落とし穴があり、喩えだけで満足しない。
・安全は今だけの問題であるが、安心は安全が将来も確保されるかといったシステムに対する信頼である
その他にも様々な問題提起がなされており、読後にもやもやが残りました。
本書にもありますが、分からないからといって放棄するのではなく、
分からない点をひとつずつ明らかにして、自分なりに判断していきたいと思います。